めっきQ&A
下地に無電解ニッケルめっき処理を施して硬質クロムめっき
処理の耐食性を改善しようとしましたが、クロムめっき層が
剥離してしまいました。
アドバイスをお願いします。
下地に無電解ニッケルめっき処理を施して硬質クロムめっき
処理の耐食性を改善しようとしましたが、クロムめっき層が
剥離してしまいました。
アドバイスをお願いします。
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一般的にニッケルは不動態化する傾向にありますので活性化が必要です。
これには幾つかの方法があります。
まず、ニッケルの表面を溶剤脱脂やアルカリ電解脱脂で洗浄します。
ニッケルの活性化の一般的な方法は、
1)5~15容量%のHC1溶液中、または2)5~15容量%のH₂SO₄溶液中で
1分間正電解/30秒間逆電解/2分間正電解を行い、
水洗後、濡れたまま素早くクロムめっき槽に入れて直流電源の陰極に
つなぎ、2~2.5Vで1~2分間放置した後、10秒当り0.2Vの割合で電圧を
所定のめっき電流に達するまで上昇させます。
この時に電流分布が均一になるように陽極を配置することが大切です。
無電解ニッケルは、クロムめっきに対して電解ニッケルよりもやっかいですが、
めっきすることはできます。もし無電解ニッケルがリンを多く含んでいるか
めっき前に熱処理が施してある場合には、ニッケル表面の電導性を高めるために
細かいバフで研磨すると良いと思います。
一度、現状のめっき剥離を行い、再めっき処理を行うのが
基本的は、宜しいかと思います。