クロムメッキ

クロムメッキとは

クロムメッキとは、対象物にクロム金属を析出させるメッキのことです。クロム金属は大気中で酸素と結合することによって、表面に透明かつ極めて薄い不動態皮膜を形成するため、耐食性、光沢や硬度を得られます。

クロムメッキは大別して「装飾クロムメッキ(ニッケルクロムメッキ)」「硬質クロムメッキ」(ハードクロムメッキともいう)の2種類があります。この2つは同じクロムメッキと呼ばれるものですが、膜厚によって区別されています。ただ、一般的にクロムメッキと呼ぶ場合は「装飾クロムメッキ」を指すことが多いです。
このページでは基本的に広く認知されているクロムメッキという表記で解説します。

クロムメッキの原理

ここでは、クロムメッキの原理について説明します。
クロムメッキは、メッキ液中の金属イオン電子をもらい、陰極にクロム金属となり析出します。

【クロムメッキの原理】

クロムメッキの原理

クロムはイオン化傾向の大きな金属(卑金属)ですが、空気中の酸素で透明で緻密な酸化皮膜を瞬間的に形成し、より貴な電位を示す耐食性の優れた皮膜になります。

クロムメッキの場合は、メッキ液の構成や電析メカニズムが他の金属メッキとは異なります。一般のメッキは、一価二価イオンからの電析ですが、クロムメッキは六価からの電析になります。

装飾クロムメッキ

装飾クロムメッキは、ニッケルクロムメッキとも呼ばれ、まず中間に比較的厚めの銅・ニッケルメッキを施した後、表層に薄いクロムメッキを施します。

装飾クロムメッキは主に美観を持たせたい製品に対して用いられます。光沢のある色調で意匠性があるので、外観をきれいに整えるために使われることが多いですが、ニッケルメッキの保護膜として使われたり、製品に更に硬度をもたせたりする目的で使われることもあります。その他のケースでは、高い耐食性を得るために用いることもあります。

クロムメッキで用いられる金属クロムは、大気中で酸素と結合し、表面に透明で極めて薄い不動態膜を形成します。メッキ表面が空気に触れることで酸化被膜が形成されるので、耐食性が強くなるというわけです。

これにより、銅・ニッケルメッキがもつ美しい光沢・耐食性に、さらに優れた耐食性・安定性が加わることで美しい外観を保持することができます。製品の美観性に優れているという特性から、水道蛇口などの設備部品や、自動車の外観部品などに使用されます。[1]

装飾クロムメッキの特徴

装飾クロムメッキの特徴は大きくわけて以下の3つになります。

・光反射性が高い
装飾クロムメッキは、光を効率よく反射する特性を持っています。よく街中で見かけるシルバー色でキラキラしているものは装飾クロムメッキが施されており、アクセサリーでも採用されるほど美しい光沢を放ちます。その高級感や清潔感によって、美術館で使う器具や車のエンブレム、医療の現場によく採用されています。
・熱反射性が高い
メッキした製品は、高温の状態で長い期間置いておくと、酸化・変色します。しかし、装飾クロムメッキは、熱反射性が高く酸化反応が遅いため、条件があるものの高温の状態で置いておいても酸化・変色がありません。
・耐食性が高い
装飾クロムメッキは、耐食性が高いという特徴もあります。その理由としては、装飾クロムメッキの下地としてニッケルメッキが使われることで耐食性が強化されるからです。
変色や腐食しにくい特性を持つ装飾クロムメッキは、住設機器や自動車部品、工業製品など幅広い用途で使われています。

[2]

硬質クロムメッキ

硬質クロムメッキは、厚いメッキを施すことにより硬度と耐摩耗性、密着性に優れていることから、機械部品や金型などの工業製品に使われます。

硬質クロムメッキは別名「ハードクロムメッキ」と言われ、素材に対してダイレクトにメッキをする方法です。このことから、JIS規格においては「工業用クロムメッキ」とも呼ばれることもあります。硬度はHv750以上あり、膜厚は1μmから100μmまでありますが、メッキを厚くすることで、より高い耐久性を得ることができます。

硬質クロムメッキの特徴

硬質クロムメッキの特徴は、大きくわけて以下の3つになります。

・硬度が高い
Hv750~1100程度とメッキでは一番硬い皮膜を付与出来ます。
・耐摩耗性に優れる
硬質クロムメッキの皮膜は約99%以上がクロム金属という硬い皮膜ですので傷や削れなどが発生しにくく摩擦係数が小さくなるため皮膜が摩耗しません。
ただし、耐摩耗性向上の目的で、摺動する面に処理をする場合にはかじり現象が発生します。硬質クロムメッキ同士を摺動させた場合、両者とも硬い皮膜ですから摩耗は非常に少ないように思われがちですが、実際にはかじり現象を起こして両者とも急速に摩耗してしまいます。
・膜厚を厚くすることが出来る
硬質クロムメッキは、100~1000μm(0.1~1mm)厚以上とクロム金属をつけることが可能です。
この方法を肉盛りといい、摩耗してしまった製品、破損した製品を原形に修復するために利用されます。

装飾クロムメッキのメリット

硬質クロムメッキの皮膜よりも薄い0.1~0.5μmで光沢を出すことが出来る
装飾クロムメッキは、主としてニッケルメッキの保護膜としてクロムメッキを処理し、皮膜の高度光沢と特有の美しい色合いが生み出される処理です。メッキを厚く施すことで、より耐久性を高めることを目的とする硬質クロムメッキと比較して、装飾クロムメッキは 0.1~0.5µmと薄い皮膜になっています。
膜厚が0.5μm以上になると表面にクラックが生じて耐久性が低くなることから、0.1μm~0.5μmが加工する一般的な基準となっています。クロムメッキが薄くても、皮膜が極めて硬いので、通常の使用では皮膜が簡単に摩耗することはありません。
・下地のメッキで銅メッキ、ニッケルメッキを処理するので耐食性が高い
クロムメッキ皮膜は、光沢剤を使わなくても光沢があり、大気中では錆びずに安定して光沢を維持します。しかし、微細なクラックが発生するため、装飾クロムメッキの腐食の防止策として下地を厚くします。素地の上に、比較的耐食性があるニッケルメッキを下地として施し、さらにその上にクロムメッキを施すことで、耐食性が高くなり、外観の美しさを保てます。
バフ研磨を併用することで鏡面のメッキをつくれる
装飾用クロムメッキの大きな特徴は、シルバー色でキラキラしている光沢感です。
ニッケルクロムメッキにて、美観性を求めるのであれば[バフ研磨] → [銅メッキ] → [バフ研磨] → [ニッケルメッキ] → [クロムメッキ]を施すことによりキラキラの鏡面仕上げのような光沢外観を得ることができます。
・鉄・銅・ステンレス・アルミニウムなどの材質にもメッキできる
クロムメッキを施すことが出来る素材は、・銅・ステンレスアルミニウムなど幅広く処理が可能で、RoHS指令にも抵触しません。最近ではプラスチックへのクロムメッキが増えてきています。

装飾クロムメッキのデメリット

装飾クロムメッキには次の3つのデメリットがあります。

・耐摩耗性がない
硬質クロムメッキは、メッキ皮膜が極めて硬く、動摩擦係数が低いため、耐摩耗性に優れています。一方、装飾クロムメッキは、素材に銅、ニッケル等の中間メッキが施され、その上に薄くクロムメッキ処理が行われています。耐摩耗性が小さく、密着力が弱いために、硬質クロムメッキと比較するとメッキが剥げ易いといえます。
・酸性の雰囲気で溶解してしまう
クロムメッキ皮膜を侵食する主な化学薬品には以下のようなものがあります。
基本的に「酸性」のものに対して溶解します。ピンホールが発生することで、素材から錆が発生することもあります。
・電気を使用するメッキなので皮膜均一性がない
一般的にクロムメッキは電流効率が悪く、付きまわりが悪いと言われています。
鋭い角部にはメッキが厚くつくのでバリが出やすく、隅部や複雑な部分には、メッキがつきにくくなります。
したがって、電圧や温度管理、そしてジグ製作・考案など、品質を安定させるのが少し大変で、技術的に難しいメッキと言えます。
角部にRをつけられるものは出来るだけ大きくとり、隅部(特に形状部ツバのついた軸の根元等)には、できれば逃げのあることが望ましいです。複雑な形状の場合には治具の製作が必要となります。

設計時の注意事項

角部・隅部

クロムメッキは鋭い角部にはメッキが厚くつきバリが出やすくなります。隅部や複雑な形状には、メッキがつきにくいです。角部にRをつけられるものは出来るだけ大きくとり、隅部(特に形状部ツバのついた軸の根元等)には、できれば逃げのあることが望ましいです。複雑な形状の場合には治具の製作が必要となります。

[3]

メッキ工程

一般的なクロムメッキ工程を紹介いたします。

クロムメッキ工程

  • クロムメッキ処理
脱脂
加温した苛性ソーダ水溶液(水酸化ナトリウム水溶液)に漬けて、表面についている油脂類などの汚れを完全に除去します。
電解脱脂
アルカリ脱脂液中の金属素材を陰極または陽極にして通電させることで酸素または水素ガスが発生します。生じたガスの力でさらに細かい汚れを取り除きます。
酸浸せき(酸活性)
表面にある不動態膜(酸化膜)を除去します。
ニッケルメッキ
メッキ液浸漬・メッキ析出
クロムメッキ
メッキ液浸漬・メッキ析出
乾燥
60度以下の低温

ちなみに不導体へのクロムメッキを行う場合には、次のような工程になります。
アルミニウムへのクロムメッキを行うの場合には、下地に無電解ニッケルメッキが必要になります。

【クロムメッキ工程表(不導体の材質)】

クロムメッキ工程

クロムメッキの用途

外観が美しく、変色や腐食しにくい特性を持つクロムメッキは、住設機器や自動車部品、工業製品など幅広い用途で使われています。

  • 自動車やオートバイの外観部品全般に処理され意匠性と耐食性を向上させる
  • 水栓金具部品
  • ガス機器やバルブ
  • カメラなどの光学機器
  • 圧力計、温度計のケース
  • 精密測定機器部品 ダイヤルゲージやマイクロメータなど

クロムメッキの事例

  • 事例1 オートバイ部品へのクロムメッキ
    耐食性と光沢を付与
  • 事例2 自動車のシフトノブへのクロムメッキ
    耐食性と光沢を付与
  • 事例3 オートバイ部品へのクロムメッキ
    耐食性と光沢を付与

種類、等級及び記号

単位 μm

素地金属 メッキ
金属の
種類
等級 下地メッキ 下地
メッキ最小厚さ
最上層メッキ 最上層
メッキ最小厚さ
記号
鉄鋼 ニッケル-クロムメッキ 1級 Nib 3 Cr r 0.1 Ep-Fe/Ni 3 b,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Nib,Cr r[1]
2級 Nib 5 Cr r 0.1 Ep-Fe/Ni 5 b,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Nib,Cr r[2]
3級 Nib 10 Cr r 0.1 Ep-Fe/Ni 10 b,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Nib,Cr r[3]
4級 Nib 15 Cr r 0.1 Ep-Fe/Ni 15 b,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Nib,Cr r[4]
5級 Nib 20 Cr r 0.1 Ep-Fe/Ni 20 b,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Nib,Cr r[5]
6級 Nid 25 Cr mp 0.1 Ep-Fe/Ni 25 d,Cr 0.1 mp又はEp-Fe/Nid,Cr mp[6]
Nid 25 Cr mc 0.1 Ep-Fe/Ni 25 d,Cr 0.1 mc又はEp-Fe/Nid,Cr mc[6]
7級 Nid 30 Cr r 0.1 Ep-Fe/Ni 30 d,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Nid,Cr r[7]
8級 Nib 40 Cr r 0.1 Ep-Fe/Ni 40 b,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Nib,Cr r[8]
9級 Nid 30 Cr mp 0.1 Ep-Fe/Ni 30 d,Cr 0.1 mp又はEp-Fe/Nid,Cr mp[9]
Nid 30 Cr mc 0.1 Ep-Fe/Ni 30 d,Cr 0.1 mc又はEp-Fe/Nid,Cr mc[9]
銅-ニッケル-クロムメッキ 1級 Cu,
Nib
3 Cr r 0.1 Ep-Fe/Cu+Nib 3,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Cu+Nib,Cr r[1]
2級 Cu,
Nib
5 Cr r 0.1 Ep-Fe/Cu+Nib 5,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Cu+Nib,Cr r[2]
3級 Cu,
Nib
10 Cr r 0.1 Ep-Fe/Cu+Nib 10,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Cu+Nib,Cr r[3]
4級 Cu,
Nib
15 Cr r 0.1 Ep-Fe/Cu+Nib 15,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Cu+Nib,Cr r[4]
5級 Cu,
Nib
25 Cr r 0.1 Ep-Fe/Cu+Nib 25,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Cu+Nib,Cr r[5]
6級 Cu,
Nib
30 Cr r 0.1 Ep-Fe/Cu+Nib 30,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Cu+Nib,Cr r[6]
7級 Cu,
Nib
30 Cr mc 0.1 Ep-Fe/Cu+Nib 30,Cr 0.1 mc又はEp-Fe/Cu+Nib,Cr mc[7]
Cu,
Nib
30 Cr mp 0.1 Ep-Fe/Cu+Nib 30,Cr 0.1 mp又はEp-Fe/Cu+Nib,Cr mp[7]
8級 Cu,
Nib
50 Cr r 0.1 Ep-Fe/Cu+Nib 50,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Cu+Nib,Cr r[8]
Cu,
Nid
35 Cr mc 0.1 Ep-Fe/Cu+Nid 35,Cr 0.1 mc又はEp-Fe/Cu+Nid,Cr mc[8]
Cu,
Nid
35 Cr mp 0.1 Ep-Fe/Cu+Nid 35,Cr 0.1 mp又はEp-Fe/Cu+Nid,Cr mp[8]
9級 Cu,
Nid
50 Cr r 0.1 Ep-Fe/Cu+Nid 50,Cr 0.1 r又はEp-Fe/Cu+Nid,Cr r[9]
Cu,
Nid
45 Cr mc 0.1 Ep-Fe/Cu+Nid 45,Cr 0.1 mc又はEp-Fe/Cu+Nid,Cr mc[9]
Cu,
Nid
45 Cr mp 0.1 Ep-Fe/Cu+Nid 45,Cr 0.1 mp又はEp-Fe/Cu+Nid,Cr mp[9]
銅及び銅合金 ニッケル-クロムメッキ 1級 Nib 2 Cr r 0.1 Ep-Cu/Ni 2 b,Cr 0.1 r 又はEp-Cu/Nib,Cr r[1]
2級 Nib 5 Cr r 0.1 Ep-Cu/Ni 5 b,Cr 0.1 r 又はEp-Cu/Nib,Cr r[2]
3級 Nib 10 Cr r 0.1 Ep-Cu/Ni 10 b,Cr 0.1 r 又はEp-Cu/Nib,Cr r[3]
4級 Nib 25 Cr r 0.1 Ep-Cu/Ni 25 b,Cr 0.1 r 又はEp-Cu/Nib,Cr r[4]
5級 Nid 30 Cr r 0.1 Ep-Cu/Ni 30 d,Cr 0.1 r 又はEp-Cu/Nid,Cr r[5]
Nid 25 Cr mc 0.1 Ep-Cu/Ni 25 d,Cr 0.1 mc 又はEp-Cu/Nid,Cr mc[5]
Nid 25 Cr mp 0.1 Ep-Cu/Ni 25 d,Cr 0.1 mp 又はEp-Cu/Nid,Cr mp[5]
亜鉛合金 銅-ニッケル-クロムメッキ 1級 Cu,
Nib
10 Cr r 0.1 Ep-Zn/Cu+Nib 10,Cr 0.1 r又はEp-Zn/Cu+Nib,Cr r[1]
2級 Cu,
Nib
15 Cr r 0.1 Ep-Zn/Cu+Nib 15,Cr 0.1 r又はEp-Zn/Cu+Nib,Cr r[2]
3級 Cu,
Nib
20 Cr r 0.1 Ep-Zn/Cu+Nib 20,Cr 0.1 r又はEp-Zn/Cu+Nib,Cr r[3]
4級 Cu,
Nib
25 Cr r 0.1 Ep-Zn/Cu+Nib 25,Cr 0.1 r又はEp-Zn/Cu+Nib,Cr r[4]
5級 Cu,
Nib
30 Cr r 0.1 Ep-Zn/Cu+Nib 30,Cr 0.1 r又はEp-Zn/Cu+Nib,Cr r[5]
6級 Cu,
Nib
40 Cr r 0.1 Ep-Zn/Cu+Nib 40,Cr 0.1 r又はEp-Zn/Cu+Nib,Cr r[6]
7級 Cu,
Nib
40 Cr mc 0.1 Ep-Zn/Cu+Nib 40,Cr 0.1 mc又はEp-Zn/Cu+Nib,Cr mc[7]
Cu,
Nib
40 Cr mp 0.1 Ep-Zn/Cu+Nib 40,Cr 0.1 mp又はEp-Zn/Cu+Nib,Cr mp[7]
8級 Cu,
Nib
50 Cr r 0.1 Ep-Zn/Cu+Nib 50,Cr 0.1 r又はEp-Zn/Cu+Nib,Cr r[8]
Cu,
Nid
30 Cr mc 0.1 Ep-Zn/Cu+Nid 30,Cr 0.1 mc又はEp-Zn/Cu+Nid,Cr mc[8]
Cu,
Nid
30 Cr mp 0.1 Ep-Zn/Cu+Nid 30,Cr 0.1 mp又はEp-Zn/Cu+Nid,Cr mp[8]
9級 Cu,
Nid
50 Cr r 0.1 Ep-Zn/Cu+Nid 50,Cr 0.1 r又はEp-Zn/Cu+Nid,Cr r[9]
Cu,
Nid
40 Cr mc 0.1 Ep-Zn/Cu+Nid 40,Cr 0.1 mc又はEp-Zn/Cu+Nid,Cr mc[9]
Cu,
Nid
40 Cr mp 0.1 Ep-Zn/Cu+Nid 40,Cr 0.1 mp又はEp-Zn/Cu+Nid,Cr mp[9]
アルミニウム及びアルミニウム合金 ニッケル-クロムメッキ 1級 Nib 10 Cr r 0.1 Ep-Al/Ni 10 b,Cr 0.1 r又はEp-Al/Nib,Cr r[1]
2級 Nib 20 Cr r 0.1 Ep-Al/Ni 20 b,Cr 0.1 r又はEp-Al/Nib,Cr r[2]
3級 Nid 30 Cr r 0.1 Ep-Al/Ni 30 d,Cr 0.1 r又はEp-Al/Nid,Cr r[3]
Nid 25 Cr mc 0.1 Ep-Al/Ni 25 d,Cr 0.1 mc又はEp-Al/Nid,Cr mc[3]
Nid 25 Cr mp 0.1 Ep-Al/Ni 25 d,Cr 0.1 mp又はEp-Al/Nid,Cr mp[3]
4級 Nid 50 Cr r 0.1 Ep-Al/Ni 50 d,Cr 0.1 r又はEp-Al/Nid,Cr r[4]
Nid 35 Cr mc 0.1 Ep-Al/Ni 35 d,Cr 0.1 mc又はEp-Al/Nid,Cr mc[4]
Nid 35 Cr mp 0.1 Ep-Al/Ni 35 d,Cr 0.1 mp又はEp-Al/Nid,Cr mp[4]

備考 銅-ニッケルメッキの各々の膜厚については、受渡当事者間の協定による。

クロムメッキに関連する英語表記

クロム chromium
クロムメッキ Chrome plating
装飾クロムメッキ Decorative chrome plating
ニッケルメッキ Nickel plating
硬質クロムメッキ Hard chrome plating
電子 Electronic
陰極 cathode
酸化皮膜 Oxide film
耐摩耗性 Abrasion resistance
耐久性 durability
かじり現象 Gnawing phenomenon
肉盛り salvage plating,electro sizing
光沢剤 brightener
クラック cracking (crazing)
バフ研磨 buffing
動摩擦係数 Dynamic friction coefficient
電流効率 current efficiency
ジグ plating rack,jig,rack
電圧 Voltage
脱脂 degreasing
電解脱脂 electrolytic cleaning
酸浸せき acid dipping
不導体 Non-conductor
無電解ニッケルメッキ Electroless nickel plating
RoHS指令 Restriction of Hazardous Substances

クロムメッキまとめ

クロムメッキは非常に優れた性能を持つメッキです。
クロムメッキは、一般にニッケルメッキを下地に用い、外観と耐食性の向上を目的とした「装飾クロムメッキ」と、クロムメッキを厚くメッキして硬度、耐食性、耐摩耗性などを得ることを目的とした「硬質クロムメッキ」との2種類に分かれます。それぞれの特性・用途によって、どちらを選択するかが決まります。

光沢をあまり必要とせず、硬度が必要な場合は、硬質クロムメッキをおすすめします。

この記事の解説者

代表取締役社長 清水栄次

三和メッキ工業株式会社
代表取締役社長 清水栄次

全国めっき技術コンクールにおいて厚生労働大臣賞、金賞など数多く受賞。めっき業界において始めてIS09001,14001,27001を独自で構築。その中から、めっき特許、並びに独自の技術を商標化。インターネットにて380001以上の取引実績。
めっきセカンドオピニオンによる他社のめっき不良を年間100件解決。

  • 2014年 神戸大学大学院経営学研究科 非常勤講師
  • 2020年 三重大学 非常勤講師

脚注

  • [1]電気鍍金研究会:現代めっき教本 日刊工業新聞社
  • [2]渡辺和夫:クロムめっき 1999年50巻2号
  • [3]全国鍍金工業組合連合会:製品設計/開発のための電気めっきガイド 第6版

クロムメッキに関するめっきQ&A

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