めっきQ&A
硬質クロムめっき処理に関するお問合せ
素地の表面粗さが硬質クロムめっきの結果にどう影響しますか?
めっきの厚みに左右されますか?
また、表面に凸凹があった場合、めっき後凹凸はそのまま残るの
でしょうか?
それとも平骨化されるのでしょうか?
硬質クロムめっきには凹凸を滑らかにする平骨化作用は
ありません。
また、硬質クロムめっきで、素地の擦り傷、割れ目等を
隠せるものではありません。
装飾用クロムめっきの場合は素地を磨き、下地に光沢ニッケル
若しくは光沢銅、あるいは光沢ニッケルと光沢銅の二層めっきを
施すことにより凹凸部を滑らかにした後、上に薄いクロム層(0.5~1μm
を設けることで光沢のある仕上がりを実現しています。
一方、硬質クロムめっきの場合は、素地金属をむらのない平骨な
表面になるよう磨かなければなりません。
そしてめっき前の工程では一般的なものに、研磨、ショットピーニング、
ガラスビーズやエメリーによるブラスト等の加工があります。
次のめっき工程では通常、最初に密着性を高めるための逆電解に
よるエッチングを行います。
これら全ての前処理は、硬質クロム後のめっき表面に反映されて
しまいますが、それらはめったに不良とは見なされません。
まためっきの厚みは、薄いものは、5~10μm、また厚いものは
上限がありません。
硬質クロムめっきには素地の入念な前処理が不可欠です。
硬質クロムめっきは"下地を映し出す鏡"なのです。