めっきQ&A
硬質クロムめっき処理に関するお問合せ
弊社はメタルのシート(弁座)に組み入れられるSUS316製
のボールバルブのボールに、5/1000インチ(0.254mm)厚の
ハードクロムめっきをする仕事をしています。ボールは鋳物の
棒材から作られていて、めっき前に機械加工、研削研磨加工、
磨き加工の工程があります。
しかしながら、時折めっき表面の一部に細孔性の不良が集中して
発生してしまいます。何が原因なのか、また改善策があれば
教えてください。
もう一度、硬質クロムめっき前の工程を調べてみては
如何でしょうか。
「めっき前の磨き工程で使われる磨き剤は完全に除去され
ていますか?」
「汚れていないコットンの手袋またはゴム手袋で製品は
取り扱われていますか?」
「綿ぼこり、油、その他原因になりうるものと製品は接触
していないですか?」
「製品を運ぶ台車などでは清潔な紙トレイに交換されていますか?」
「部品は通電する前にクロムタンクの中で充分温められていますか?」
「部品は正電前にクロム液内で逆電エッチングを行いますか?」、
「もしそうであれば、どのくらいの時間、電流、電圧ですか?」、
「クロム液でエッチングを行っていないのなら、どのようにしていますか?」
「どのような形状、大きさのアノードを使っていますか。
「棒状、もしくは部品形状に合わせたタイプですか?」
「逆電処理の後、正電の電流値はどのくらいですか?」、
「電圧、電流は徐々に少しずつ上げていますか?それとも違った方法ですか?」
ご質問の文中に「集中して発生」と表現していますが、不具合箇所は一部の
限られた部分に集中していますか?
そうであれば、何かに接触して発生したとも考えられます。
クロムめっき面に集中的に発生する細孔性の不良の原因は、接触による焦げ
によるものかもしれません。