メッキQ&A
アルマイトが腐食する主な原因は、アルミニウムの酸化皮膜
(アルマイト)が剥がれたり、物理的な衝撃や化学的な影響で
損傷したりすることで、アルミ素地が露出することです。
露出したアルミ素地は、空気中の酸素や水、塩分などの影響を
受け、腐食が進みます。
詳細な原因は以下の通りです。
1.環境要因
・酸性雨・塩害・湿気
酸性ガスや塩分がアルマイト皮膜の細孔に入り込み、腐食(白錆)を
誘発する。特に封孔されていないと顕著になる。
・沿岸部や工業地帯
高濃度の塩分・大気汚染物質によって皮膜の劣化・中性化が進む。
・紫外線・熱劣化
長期間の曝露で皮膜構造が緩み、水分・酸素が浸入しやすくなる。
2.表面の損傷
・皮膜の傷・摩耗
傷ついた部分から地金が露出し、局部腐食が進行。
・もらい錆
近接した鉄製品の赤錆がアルマイト表面に付着し、見かけ上の腐食が起きる。
3.封孔処理不良
・未封孔または封孔ムラ
酸化皮膜の孔が開いたままだと、水分・塩分が侵入し腐食しやすくなる。
特に着色アルマイト(カラーアルマイト)で重要。
4.化学的腐食
・強酸・強アルカリとの接触
アルマイト皮膜はpH2以下やpH11以上で溶解・白化する。
洗剤や化学薬品の影響に注意。