メッキQ&A
アルマイト処理後のアルミニウムの質感は、前処理やアルマイトの
種類によって大きく変わります。
主な質感の種類は以下の通りです。
・光沢(ツヤあり)
特徴:鏡面のようなピカピカとした光沢感があります。アルミニウム本来
の金属光沢が強調されます。
前処理:バフ研磨や化学研磨(電解研磨)によって、事前にアルミニウム
表面を滑らかに研磨してからアルマイト処理を施します。
用途:美観が重視される製品(スマートフォン、カメラ部品、装飾品など)
によく用いられます。
・半光沢(サテン調)
特徴:光沢がありつつも、少し落ち着いた、なめらかな光沢感です。
上品な印象を与えます。
前処理:化学梨地処理(薬品で表面を溶かして微細な凹凸を作る)などが
挙げられます。
用途:幅広い製品に使用され、汎用性が高いです。
・梨地(マット・つや消し・ザラザラ)
特徴:光沢がほとんどなく、ザラザラとした手触りや見た目になります。
光を拡散するため、指紋や傷が目立ちにくいというメリットもあります。
前処理:サンドブラスト(細かい粒子を吹き付けて表面に微細な凹凸を作る)
や、特定の薬品処理によって表面を粗化します。
用途:グリップ感が必要な部品、光学部品(光の反射を抑えるため)、意匠性
のある建築材などに用いられます。
・無色透明(白アルマイト)
特徴:アルミニウム素地の色がそのまま見えます。シルバー系の色合いです。
処理:一般的な白アルマイトや、特に着色しない場合のアルマイト処理。
・着色(カラーアルマイト)
特徴:アルマイト皮膜に染料を吸着させることで、様々な色を付けることが
できます。塗装とは異なり、剥がれる心配が少ないです。
用途:デザイン性が重視される製品(アウトドア用品、自転車部品、電子機器
など)に幅広く使われます。
硬質アルマイト処理は、通常のアルマイトよりも厚い皮膜を形成するため、一般的に
やや灰色がかった(硫酸アルマイトでA5000系の場合)色合いになり、光沢感は
控えめになる傾向があります。膜厚が厚くなるため、表面の微細な凹凸が強調され
やすく、マットな質感になることが多いです。
ただし、前処理によっては硬質アルマイトでも光沢を出すことは可能です。