メッキQ&A
アルマイト加工されたアルミ製品の表面に白い析出物(白錆、白粉)が
発生する原因は、アルマイト皮膜の劣化や破壊によるアルミ素地の腐食です。
白い析出物(白錆)の正体は、主成分はアルミニウムの水酸化物(Al(OH)₃)
やアルミナ水和物です。
水分・酸素・汚染物質と反応して、アルミが腐食した結果として析出します。
原因には以下のようなものがあります。
1.封孔処理の不備
アルマイト皮膜の多孔層が塞がれていないと、浸水・汚染によって内部から
腐食が進行。水と反応して白錆が発生。
2.水分の付着・結露
湿気や水滴が長時間付着すると、酸素と反応しアルミ腐食が進行。
皮膜に微細な欠陥があると特に起こりやすい。
3.電蝕(異種金属接触腐食)
アルミが他の金属(鉄、銅、ステンレスなど)と接触し、電位差で局部腐食が
進行。
4.酸・アルカリ・洗剤の影響
特にアルカリ性物質でアルマイト皮膜が侵され、素地が露出。
5.紫外線や環境劣化
紫外線や排気ガスなどの環境要因で皮膜が劣化し、水が浸入しやすくなる。
6.繰り返しの濡れ乾き
水に濡れて乾くサイクルで皮膜の微細な割れや欠陥が進行し、内部から腐食。