めっきQ&A

FAQ

硬質アルマイトの封孔処理はどのように行うのですか?

硬質アルマイトの封孔処理は、通常のアルマイトと同様に、皮膜に
存在する微細な孔を塞ぐことで、耐食性や耐汚染性を向上させる目的
で行われます。
しかし、硬質アルマイトは硬度を重視するため、封孔処理によって硬度
が低下する可能性があり、その影響を考慮した方法が選択されます。

主な封孔処理の方法と、硬質アルマイトにおけるそれぞれの特徴は以下
の通りです。

1.沸騰水封孔
方法:アルマイト処理後の品物を、十分に水洗いした後、約95~100℃の
   純水に浸漬する方法です。一般的には30分程度の保持時間で行われ
   ます。
原理:アルマイト皮膜の主成分であるアルミナ(Al₂O₃)が熱水中で水和
   反応を起こし、ボーエマイト(AlOOH)という物質に変化します。
   このボーエマイトが生成される際に体積が膨張し、微細な孔が物理的
   に閉じられます。

2.酢酸ニッケル封孔(ニッケル塩処理)
方法:酢酸ニッケル水溶液に浸漬させる方法です。温度は95℃以上
   で、10~20分間保持します。
原理:ニッケル塩が微細孔に沈着し、水和反応と相まって孔を塞ぎ
   ます。

3.蒸気封孔(加圧水蒸気処理)
方法:アルマイト処理後の品物を、耐圧高圧容器内に入れ、3~5
   気圧の蒸気を送り込み、20~30分間保持して封孔する方法です。
原理:高温・高圧の蒸気によって水和反応を促進し、皮膜の膨張を最小限
   に抑えつつ孔を閉じます。

4.クロム酸塩封孔(重クロム酸塩処理)
方法:重クロム酸カリウムや重クロム酸ナトリウムなどの溶液中で行う
   封孔処理です。
原理:クロム酸塩が皮膜の孔に吸着・反応し、強固な耐食性皮膜を形成
   します。

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