めっきQ&A

FAQ

なぜアルミにアルマイト処理をするのか?

アルミニウムは、軽くて加工しやすい、熱伝導率が高い、電気を
通しやすいといった優れた特性を持つ金属です。
しかし、そのままだといくつかの弱点があるため、それらを補い、
さらに性能を向上させるために「アルマイト処理」が施されます。

アルマイト処理を行う主な理由は以下の通りです。

・耐食性の向上(錆びにくくする)
アルミニウムは空気中の酸素と反応して、ごく薄い酸化皮膜(自然保護
皮膜)を表面に作ります。
この皮膜のおかげで、アルミニウムは鉄のように赤く錆びることはほと
んどありません。
しかし、この自然皮膜は非常に薄く、塩分や酸、アルカリなどの環境下では
腐食が進行したり、傷がつくとそこから腐食が始まったりすることがあります。
アルマイト処理は、この酸化皮膜を電気化学的に人工的に厚く、強固に生成
させることで、外部からの腐食要因に対するバリア機能を大幅に強化します。
これにより、アルミニウム製品の寿命を延ばし、より幅広い環境での使用を
可能にします。

・耐摩耗性・硬度の向上(傷つきにくくする)
アルミニウムは柔らかい金属であり、そのままでは傷がつきやすく、摩耗
しやすいという弱点があります。
アルマイト処理によって形成される酸化アルミニウム(アルミナ)の皮膜は、
アルミニウム素地よりもはるかに硬い物質です(HV200~250程度)。
特に「硬質アルマイト」ではHV450~500以上と、一般の鉄鋼材料に匹敵する
硬度が得られます。
これにより、製品の表面を傷や摩耗から守り、耐久性を向上させることが
できます。

・装飾性の付与(見た目を良くする)
アルマイト皮膜には微細な孔が無数に開いています。この孔に染料を吸着させ
ることで、多種多様な色(カラーアルマイト)に着色することができます。
これにより、製品の美観を高めたり、製品の種類や機能を色で区別したりする
ことが可能になります。
建築材料、家電製品、スマートフォン、スポーツ用品などでよく見られます。

・電気絶縁性の付与(電気を通さなくする)
アルミニウム自体は電気をよく通す導電性の高い金属です。
しかし、アルマイト皮膜は酸化アルミニウムでできており、電気を通さない絶縁体
です。
この性質を利用して、電気部品の絶縁層として利用されることがあります。

・塗装や接着の密着性向上
アルマイト皮膜の微細な孔は、その後の塗装や接着剤の密着性を高める「アンカー
効果」をもたらします。
これにより、塗膜や接着剤が剥がれにくくなります。

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