二次電解着色アルマイトとは、アルマイト加工の一種で、
特に耐候性や耐久性に優れた着色を施す技術です。

原理は以下の2段階で構成されます。

1．一次アルマイト処理（陽極酸化処理）：
アルミニウムを電解液（硫酸など）に浸し、電気を流すことで、
アルミニウム表面に厚い酸化アルミニウム（Al₂O₃）の皮膜を
生成します。
この皮膜は、無数のミクロな孔（ポア）を持つ多孔質構造をして
います。
この孔が、次の着色工程で金属を析出させる「受け皿」となります。

2．二次電解着色：
一次アルマイト処理後のアルミニウム材を、今度はスズ、ニッケル、
コバルトなどの金属塩を含む別の電解液に浸します。
再び電流を流すことで、電解液中の金属イオンが酸化皮膜の微細孔の
底に引き寄せられ、そこで金属粒子として析出・堆積します。
この微細孔の底に析出した金属粒子が、光の干渉現象を引き起こすことで、
人間の目には色として認識されます。
析出させる金属の種類や量（電流の条件や時間）によって、色の濃淡や
色合いが調整されます。

●特徴
二次電解着色アルマイトの主な特徴は以下の通りです。

・優れた耐候性・耐光性：
最も重要な特徴です。発色の原因が安定した金属粒子であるため、紫外線に
よる退色や変色が非常に起こりにくく、屋外での長期使用に適しています。
建物のサッシや外装材に広く使われる理由です。

・安定した色調：
色ムラが少なく、均一で安定した発色が得られます。
時間経過による色の変化も少ないです。

・耐久性・耐食性：
アルマイト皮膜本来の優れた耐食性や耐摩耗性が維持されます。

・金属的な質感：
光の干渉による発色のため、深みのあるメタリックな質感を持ちます。

・表現できる色の種類：
ステンカラー（シルバーグレー）、シャンパンゴールド、ブロンズ、
ブラックなどが代表的です。
鮮やかな赤や青などの色は難しい傾向にあります。

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