FAQ
はい、ニッケルメッキは経年変化します
新品の状態を永久に保つわけではなく、使用環境や条件によって、
その外観や機能が時間とともに変化していきます。
●主な経年変化の例
1.光沢の低下(曇り)
新品時の鏡のような光沢は、時間が経つにつれて徐々に失われ、白っ
ぽく曇ったり、くすんだりすることがあります。これは、空気中の
硫黄分やその他の化学物質と反応して、表面に非常に薄い硫化物や
酸化物が形成されるためです。
特に、キッチンや浴室など、湿気の多い場所や化学物質に触れる機会
が多い場所では、この変化が早く進む傾向があります。
2.変色(黄色・黒ずみ)
硫黄分との反応が特に進むと、表面が黄色みを帯びたり、黒ずんだり
することがあります。
これは、特にニッケルと反応しやすい化学物質(硫黄系など)が原因で、
光沢が失われるだけでなく、色自体が変化する現象です。
無電解ニッケルメッキの一部では、硫黄系の添加剤が皮膜に含まれる
ことがあり、これが原因で経年変色することが知られています。
3.腐食(サビ)の発生
最も深刻な経年変化は、腐食(サビ)の発生です。
ニッケルメッキは耐食性がありますが、ピンホールやキズ、摩耗によって
メッキ層が破れると、下地金属が露出します。
下地が鉄などのサビやすい金属の場合、露出した部分から腐食が始まり、
白いサビや赤サビが発生します。
これがさらに進行すると、メッキ層が膨れたり、剥がれたりすることも
あります。
4.摩耗による剥離
頻繁に接触したり、こすれたりする部品では、物理的な摩耗によって
メッキ層が徐々に薄くなり、最終的には下地が露出して剥がれてしまう
ことがあります。
この場合、外観の劣化だけでなく、耐食性やその他の機能も失われます。