FAQ
ニッケルメッキは鉄や銅より耐食性が高いため、防錆目的で
広く使われますが、条件次第では錆びます。
錆びの原因は大きく分けると膜自体の劣化と下地金属からの腐食
です。
●主な原因
1.ピンホール・欠陥からの下地腐食
・ニッケルは遮蔽防食型なので、膜にピンホールや微小なクラック
があると、そこから下地金属が露出
・下地が鉄の場合 → 赤錆、銅の場合 → 緑青(青緑色)
・発生例:薄膜メッキ(5μm以下)、下地研磨不良、前処理不十分
2.ニッケル自体の腐食
・大気中のSO₂や湿気と反応して酸化ニッケル(NiO)や水酸化
ニッケル(Ni(OH)₂)が生成
・湿潤+塩分環境では白色〜緑色の腐食生成物が発生
・酸・アルカリ薬品に長時間接触しても表面が侵される
3.異種金属接触腐食(電食)
・ニッケルメッキが他の金属(銅・アルミなど)と導通状態で接触し、
電位差により局部腐食
・特に湿気や塩分を含む環境で進行が早い
4.メッキ構造の問題
・単層光沢ニッケルは光沢剤由来の微小欠陥が多く、長期屋外では
腐食しやすい
・多層ニッケルやクロム仕上げなら進行が遅い