FAQ
クロムメッキとクロメートは、どちらもクロムを使った表面
処理ですが、その目的、方法、そして仕上がりに大きな違いが
あります。
●クロムメッキ
・方法:
電気を使い、クロムの金属イオンを素材の表面に析出させて
皮膜を形成します。
・特徴:
金属そのものであるクロムの皮膜なので、非常に硬く、耐摩耗性
や耐食性に優れています。
また、美しい光沢を持つため、装飾目的でも広く用いられます。
・種類:
①装飾クロムメッキ
美観を目的とし、下地ニッケルメッキの上に非常に薄く(0.2~
0.5μm程度)施されます。
②硬質クロムメッキ
硬度と耐摩耗性を目的とし、厚く(数μm~数百μm)施されます。
工具や機械部品によく使われます。
●クロメート
・方法:
主に亜鉛メッキを施した素材を、クロム酸塩溶液に浸漬させて化学
反応を起こし、表面にクロム化合物からなる皮膜を形成します。
電気は使いません。
・特徴:
クロムメッキが「金属の膜」を形成するのに対し、クロメートは
「化成皮膜」と呼ばれる非常に薄い皮膜を形成します。
この皮膜は、亜鉛が腐食するのを抑え、亜鉛メッキの耐食性を飛躍的
に向上させるのが主な目的です。
・種類:
①ユニクロ:青白い外観で、最も一般的なクロメートです。
②有色クロメート:黄色や虹色など、さまざまな色調があり、より
高い耐食性が求められる場合に用いられます。
③黒クロメート:黒色の外観を持ち高い耐食性があります。