めっきQ&A

FAQ

硬質クロムメッキ後に材料が反ってしまう原因は?

硬質クロムメッキ後に材料が反ってしまう原因は、主に
メッキによって生じる内部応力と熱による影響です。

1. メッキによる内部応力
・皮膜の収縮
硬質クロムメッキは、皮膜を形成する際に引張応力または
圧縮応力という内部応力を発生させます。
これは、皮膜の結晶構造が成長する際に生じるものです。

・反りの発生
この内部応力が材料全体に均一にかからない場合、応力の
不均衡によって材料が引っぱられたり圧縮されたりして、
反りや歪みが発生します。
特に、薄い材料や細長い材料、複雑な形状の材料は、この
影響を受けやすくなります。

2. 熱による影響
・メッキ浴の温度
硬質クロムメッキは、一般的に40℃〜60℃のメッキ浴で行われ
ます。

・熱膨張・収縮
メッキ浴の温度によって材料が熱膨張し、メッキ後に常温に戻
る際に収縮します。
この収縮が、メッキ皮膜と母材との熱膨張率の違いと相まって、
材料に大きな応力を発生させ、反りの原因となります。

3. 水素脆性除去のための熱処理
・水素の吸蔵
メッキ処理中に、材料内部に水素が吸蔵されることがあります。

・熱処理
この水素を放出させ、材料の脆化を防ぐために、メッキ後に200℃
前後の熱処理(ベーキング)を行うことがあります。

・反りの誘発
この熱処理が不適切な場合、または材料の形状や応力分布によって
は、熱によって反りが誘発されることがあります。

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