FAQ
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亜鉛ダイカストにクロムメッキを施した製品が腐食する
主な原因は、メッキ皮膜の欠陥を起点とした亜鉛素地の
化学的な弱さと電位差による腐食の加速です。
●腐食が進行する主なメカニズム
亜鉛ダイカストへのクロムメッキは、通常「銅 → ニッケル
→ クロム」の多層構造を採用しますが、このいずれかの層
に欠陥があると腐食が急速に進みます。
1. 巣穴による腐食の加速
亜鉛ダイカストは鋳造時に生じる微細な巣穴が多く含まれ
ます。
・液体の浸入:
巣穴がメッキ層によって完全に封孔されていないと、使用
環境の水分や腐食因子(塩分など)が巣穴を通り抜け、亜鉛
素地に到達します。
・下地からの侵食:
腐食因子によって亜鉛素地が侵食され、亜鉛の腐食生成物が
メッキ皮膜を内側から押し上げ、剥離や膨れを引き起こしま
す。
2. 多層メッキの欠陥(ピンホール・クラック)
最終層のクロムメッキには微細なクラックが、また下地のニッケル
層にもピンホールが存在する場合があります。
・異種金属接触腐食:
水分がクラックやピンホールを介して浸入すると、亜鉛素地、銅
ニッケル、クロムの間に電位差による局所的な電池が形成されます。
・この電池作用により、最も電位が卑しい(腐食しやすい)亜鉛素地
が優先的に溶解(犠牲防食ではない)され、腐食が加速します。
3. 下地メッキ(銅・ニッケル)の膜厚不足
特に耐食性の主役であるニッケルメッキ層の膜厚が不足していると、
腐食因子の到達を防ぐことができず、腐食(赤錆や白錆)の進行が
早まります。
4.銅メッキの種類
亜鉛ダイキャストには、ダイレクトにクロムメッキを処理することが
出来ませんので銅メッキが下地に必要となります。
この銅メッキは、シアン銅メッキを選択する必要があります。