FAQ
貫通していない穴(止まり穴)にもアルマイト処理は
つきます。
しかし、貫通穴や外周部と比べると、皮膜の厚さが薄く
なったり、不完全になったりする傾向があります。
●止まり穴にアルマイト処理がつきにくい理由
1.液の滞留と気泡の発生
アルマイト処理中は、電解によって水素ガスが発生します。
止まり穴の奥まった部分では、このガスが溜まってしまい、
アルマイト液がアルミニウム表面に十分に接触できなくなる
ことがあります。
その結果、皮膜が均一に形成されず、ムラや不完全な部分が
生じます。
2.電流の不均一性
アルマイト処理は電気化学的な反応を利用するため、電流が
流れやすい部分に皮膜が厚く生成されます。
止まり穴の奥は、製品の表面に比べて電流密度が低くなる傾向
があるため、皮膜が薄くなりがちです。
3.前処理液の残留
アルマイト処理の前の工程(脱脂やエッチング)で、止まり穴の
奥に処理液が残ってしまうことがあります。
この残留液が、その後のアルマイト処理や染色に影響を及ぼし、
不良の原因になることがあります。