FAQ
A2000系アルミニウム合金にアルマイト処理を施す場合、
難易度は高いと言えます。
A2000系は、主に銅(Cu)を主添加元素とする合金で、
「ジュラルミン系」とも呼ばれます。
この銅が、アルマイト処理のプロセスに影響を与え、
いくつかの課題を引き起こします。
●A2000系のアルマイト処理が難しい理由
1.耐食性の低さ:
A2000系合金は、純粋なアルミニウムや他の汎用合金
(A5052など)に比べて、耐食性が劣ります。
これは、銅が多く含まれているためです。
アルマイト処理は、この耐食性の低さを補う目的で行われる
ことが多いですが、元の素材の性質が影響し、処理自体の
難易度が高くなります。
2.発色と色ムラ:
銅が多く含まれているため、アルマイト処理の過程で皮膜が
自然に発色し、黄色味や褐色がかった色合いになります。
この自然発色があるため、無着色アルマイトでは白っぽい
綺麗な仕上がりにならず、カラーアルマイトでも希望通り
の色を出すのが難しく、色ムラが発生しやすくなります。
3.皮膜の均一性:
銅はアルミニウムとは異なる性質を持つため、アルマイト
処理中に皮膜の均一な成長を阻害することがあります。
その結果、膜厚にバラツキが生じたり、緻密な皮膜が形成
されにくかったりします。