めっきQ&A

FAQ

メッキの信頼性確認方法は?

メッキの信頼性を確認するための試験は、目的(防錆、
装飾、機能)に応じて多岐にわたりますが、産業界で
最も一般的に行われる代表的な5つの評価方法をご紹介
します。

1. 密着性試験(剥がれないか?)
メッキが素材にしっかり食いついているかを確認する、
最も基本的な試験です。
・テープ試験(碁盤目試験):
 メッキ面にカッターで格子の傷を入れ、セロハンテー
 プを貼って強く引き剥がします。簡易的ですが現場で
 最も使われます。
・曲げ試験:
 製品やテストピースを90度〜180度折り曲げ、曲げた
 部分のメッキが浮いたり剥がれたりしないかを確認し
 ます。
・熱衝撃試験:
 「加熱」と「急冷」を繰り返し、素材とメッキの熱膨
 張差による剥離がないかをチェックします。

2. 耐食性試験(錆びないか?)
「何時間(何年)錆びずに耐えられるか」を加速させて
 評価します。
・塩水噴霧試験(SST):
 最もポピュラーな試験です(JIS Z 2371)。
 チャンバー内で塩水を霧状にして吹き付け続け、「白錆
 (亜鉛の腐食)」や「赤錆(鉄の腐食)」が発生するま
 での時間を測定します。
 例:ユニクロなら24〜48時間、高耐食メッキなら1000時間
 以上など。

3. 膜厚測定(厚さは適正か?)
メッキの性能は厚さに比例するため、非常に重要です。
・蛍光X線測定:
 非破壊検査です。製品を傷つけずに、数秒で正確な厚みを
 測定できるため、出荷検査の主流です。
・断面顕微鏡法:
 製品を切断して樹脂に埋め込み、断面を研磨して顕微鏡で
 直接測ります。破壊検査ですが、最も信頼性が高いです。
・電解式:
 試薬でメッキを溶かし、素地が出るまでの時間から厚みを
 計算します。

4. 硬度・耐摩耗性試験(削れないか?)
摺動部品や金型などで重要になります。
・マイクロビッカース硬度計:
 ダイヤモンドの圧子を押し込み、その凹みの大きさから
 硬さ(Hv)を数値化します。
・テーバー摩耗試験:
 研磨紙や砥石を回転させながら押し付け、どれくらい削
 れたか(摩耗減量)を測定します。

5. 外観検査
・目視:
 ザラつき、ピット(微細な穴)、色ムラ、コゲ、未着(つ
 きまわり不良)などを、基準となる照明下で検査員が判定
 します。

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