FAQ
アルミ鋳造品にアルマイト処理を施すことは可能です。
しかし、押出材や圧延材といった展伸材と比べると、難易度が
高く、仕上がりも異なることが多いという特徴があります。
主な理由は以下の通りです。
1. 合金成分の影響
鋳造用のアルミニウム合金(AC材やADC材など)は、流動性を
良くするためにケイ素(Si)を多く含んでいます。
このケイ素は、アルマイト皮膜の主成分である酸化アルミニウムを
生成するのを妨げるため、皮膜が不均一になりやすくなります。
2. 鋳造欠陥(巣穴)の影響
鋳造品は、製造工程で内部に微細な気泡(巣穴)が発生することが
あります。
アルマイト処理液がこれらの巣穴に浸入すると、洗浄や封孔処理が
不十分になり、後から処理液がにじみ出て白い斑点(白サビ)の
原因となることがあります。
3. 仕上がりの外観
上記のような理由から、鋳造品にアルマイトを施した場合、展伸材の
ような滑らかで均一な外観や鮮やかな発色は得にくい傾向があります。
具体的には、色がくすんだり、色ムラが生じたり、鋳造特有の「湯流れ」
の跡が目立ったりすることがあります。