FAQ
A7075材にアルマイト加工を施した際に黒い斑点が発生する
原因は、主に素材そのものの特性と加工・処理時の問題が
複合的に絡み合っていると考えられます。
●素材が原因の場合
A7075は、強度を向上させるために亜鉛(Zn)や銅(Cu)など
を多く含んだアルミ合金です。
これらの成分が不均一に偏って存在していたり、熱処理が適切
に行われなかったりすると、アルマイト皮膜が均一に生成されず、
特定の箇所で黒い斑点やムラとして現れることがあります。
特に、押出成形後の局所的な冷却不足が原因となることもあります。
●加工・処理が原因の場合
・前処理の問題:
アルマイト加工を行う前の脱脂やデスマット(エッチング後の表面
処理)が不十分だと、表面に残った不純物や汚れがアルマイト皮膜
の形成を妨げ、黒い斑点になります。
・処理液の汚染:
アルマイト電解液に鉄やケイ素などの不純物が混入していると、皮膜中
に取り込まれて黒い斑点を生じさせることがあります。
・通電不良:
アルマイト加工時の電極と製品の接触不良や、接触面積の不足によって
局所的に電流が集中すると、その部分の皮膜が焼けて黒くなることがあ
ります。