FAQ
アルマイト皮膜の熱伝導率は、純粋なアルミニウムに
比べて非常に低いです。
具体的な数値としては、アルミニウムの熱伝導率が
約237W/mKであるのに対し、アルマイト皮膜の熱伝導率は
約60〜70W/mK程度と、アルミニウムの約1/3程度になります。
●熱伝導率が低くなる理由
アルマイト皮膜は、アルミニウムの表面に電気化学的に生成
された酸化アルミニウム(Al2O3)の層です。
酸化アルミニウムはセラミックスの一種であり、金属である
アルミニウムと比べて熱を伝えにくい性質を持っています。
●熱伝導率の低さを利用した例
この熱伝導率の低さは、デメリットだけでなく、以下のような
メリットとして利用されることもあります。
・断熱・遮熱:
ピストンやシリンダーといった熱の影響を受けやすい部品に
厚いアルマイト皮膜を施し、断熱材として利用されることが
あります。
・放熱性の向上:
熱伝導率自体は下がりますが、アルマイト皮膜は遠赤外線の
放射率が高まるという特性を持っています。
そのため、ヒートシンクなどの放熱部品にアルマイト処理を
施すことで、熱を効率的に外部へ逃がす効果が期待できます。