FAQ
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クロムメッキにおけるバイポーラ現象は、電極配置に
よって発生する意図しない電解作用で、メッキ不良の
原因となります。
1. バイポーラ現象の見分け方(発生した場所の特定)
メッキ品を観察することで、その特徴的なパターンから
バイポーラ現象の発生を見分けることができます。
・特徴的な外観:
メッキ液中に浮遊していたり、治具で吊るされていない
導体の周囲に、メッキが異常に厚く析出する部分と、
逆にメッキが全く析出しない部分が隣接して現れます。
・パターン:
異常析出部分(アノード側):
浮遊導体の電源の陽極(+)に近い側に、本来のメッキとは
異なる焼けたような析出(黒色や灰色)が起こります。
溶解部分(カソード側):
浮遊導体の電源の陰極(-)に近い側に、メッキではなく素地
の溶解(エッチング)が起こり、メッキが一切つきません。
2. バイポーラ現象の防止方法
電極間の電位差が原因で発生するため、メッキ液中の浮遊導体を
取り除くこと、または電極配置を最適化することが対策となります。
・電極配置の見直し:
被メッキ物とメッキ槽のアノード(陽極)との距離を均一にし、
電場を均等にします。
特に複雑な形状の場合、補助アノードや絶縁板を設置して電流の
集中を防ぎ、電位差を小さくします。
・浮遊導体の排除:
メッキ液中に落ちているネジ、ワイヤーの破片、治具のカスなどの
導電性異物を、メッキ前に徹底的に取り除きます。
治具やラックに付着している古いメッキ残渣も、意図せずバイポー
ラ作用を発生させる原因となるため、定期的に清掃します。
・電流密度の調整:
メッキ開始時の電流密度を急激に上げすぎないように調整し、初期
の電位差集中を避けます。