FAQ
アルマイト処理は止まり穴やネジ部にも可能です。
ただし、これらの部分は通常の平らな面と比べて、いくつかの
課題があるため、注意が必要です。
1. 止まり穴
・電解液の循環:
穴が深いと、電解液の循環が悪くなり、穴の底部まで新鮮な液
が届きにくくなります。
これにより、穴の底部で皮膜が薄くなったり、皮膜が生成され
なかったりする可能性があります。
・ガスの滞留:
アルマイト処理中は、酸素ガスと水素ガスが発生します。
止まり穴の底部にこれらのガスが溜まると、皮膜形成を阻害する
原因となります。
・洗浄・封孔の困難:
処理後の洗浄や封孔処理が不十分になりやすく、穴の奥に処理液
や不純物が残留し、後々の腐食や変色の原因となることがあります。
2. ネジ部
・寸法変化:
アルマイト皮膜の厚みによって、ネジの寸法が変化します。
皮膜の厚さを考慮して、アルマイト前のネジ寸法を調整する必要
があります。
・皮膜の均一性:
ネジ山の谷底の部分は、電流の流れが悪くなりがちで、皮膜が
薄くなる傾向があります。
・摩擦・摩耗:
アルマイト皮膜は硬くもろい性質があるため、ネジを締め付ける
際に皮膜が剥離するリスクがあります。