FAQ
ステンレスボルトが組み込まれている製品にアルマイト処理
を施すことは、事実上不可能です。
主な理由は、アルマイト処理のプロセスがアルミニウム専用で
あり、ステンレス鋼がそのプロセスに悪影響を与えるためです。
1. 異種金属による化学反応
アルマイト処理は、硫酸などの強酸性の電解液に製品を浸漬さ
せて行われます。
ステンレス鋼は耐食性が高い金属ですが、この強酸性の環境に
長時間さらされると、表面がわずかに侵食されたり、溶け出し
たりする可能性があります。
2. 電流の流れ方の問題
アルマイト処理では、アルミニウムを陽極(プラス極)にして
電流を流すことで皮膜を形成します。
ステンレス鋼はアルミニウムとは異なる電位を持つため、
アルミニウムとステンレス鋼が接触していると、電流はアルミ
ニウムに均一に流れず、ステンレス鋼に電流が集中する可能性が
あります。
これにより、アルミニウムに適切な皮膜が形成されなかったり、
皮膜にムラが生じたりする原因となります。
また、ステンレス鋼から溶け出した金属イオンが電解液を汚染し、
アルマイト皮膜の品質を著しく低下させる可能性があります。