FAQ
アルマイト処理された製品に硬質アルマイト処理を施す
ことは可能ですが、既存のアルマイト皮膜を完全に剥離
してから再処理を行う必要があります。
硬質アルマイト処理を、既に存在するアルマイト皮膜の
上から直接行うことはできません。
●処理のプロセス
1.既存アルマイト皮膜の剥離:
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)などの強アルカリ溶液に
浸漬させ、元のアルマイト皮膜を溶解させて除去します。
2.洗浄:
剥離液をきれいに洗い流します。
3.再処理(硬質アルマイト):
剥離後のアルミ素材に、硬質アルマイト処理を施します。
●注意点とリスク
この再処理の過程には、いくつかの注意点とリスクが伴います。
・寸法変化:
既存の皮膜を剥離する際、母材であるアルミニウムもわずかに
溶解します。
そのため、再処理後の製品は元の寸法よりも小さく(痩せて)
なってしまいます。
特に、精密な公差が要求される部品では注意が必要です。
・表面状態の変化:
剥離処理によって元の表面の光沢が失われたり、表面が粗く
なったりする可能性があります。
・品質のばらつき:
元のアルマイト皮膜が均一に剥離されなかった場合、再処理後
の硬質アルマイト皮膜の品質にもムラが生じるリスクがあります。