めっきQ&A
硬質クロムめっき処理に関するお問合せ
硬質クロムめっき処理の耐熱性の概要について教えて
ください。
クロム金属としての耐熱性は高いことは理解している
のですが、皮膜が剥離するような問題が発生する
ような温度限界点があるのかも知りたいです。
また、熱処理による耐摩耗性についても教えてください。
以上、ご検討の程、宜しくお願い申し上げます。
析出されたクロムは、多量の水素を吸蔵してます。
この水素は加熱により除去されますが、一方、硬さも
低下いたします。
吸蔵されている水素は400℃に加熱すると約95%が
除去されますが、硬さは、500℃付近で急激な低下が
みられます。
加熱温度と耐摩耗性の関係は、温度が300℃以上に
達すると急激に低下します。
これらのことから、硬質クロムめっき処理の水素除去方法
には、150〜200℃で1〜4時間にて処理するようJIS作業標準
にて指示されております。
また、熱による皮膜の剥離ですが、素材自体が熱で歪みを
発生した場合に、硬質クロムめっき処理の皮膜が剥離する
温度を限界点と弊社は考えております。