FAQ
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アルミニウム材上にクロムメッキを施した際、通電治具
付近でメッキが剥離する主な原因は、治具の接触部に
おける異常な電流集中と、それに伴う局所的な発熱や
前処理の欠陥です。
●主な剥離原因
・電流密度の異常な集中
治具と製品の接触面積が小さすぎると、電流がその狭い
部分に集中し、異常に高い電流密度となります。
・高すぎる電流密度は、クロム皮膜の析出を不安定にし、
内部応力を過度に高め、最終的にメッキの密着性を低下
させて剥離を引き起こします。
・局所的な発熱と熱膨張差
電流集中により接触部が局所的に発熱し、アルミニウム
素地とクロム皮膜の熱膨張係数の差が大きくなります。
この熱応力によって、メッキ層にクラックや剥離が生じ
やすくなります。
・前処理の不完全さ
治具で挟まれた部分は、脱脂や酸洗の処理液が十分に循環
せず、アルミニウム表面の酸化膜や汚れが完全に除去され
ないことがあります。
・特にアルミニウムメッキに必須のジンケート処理(亜鉛置換)
が不十分だと、ニッケルストライクやクロムメッキ層との密
着性が確保されず、剥離の起点となります。