メッキQ&A


ステンレスが錆びる理由と対策は?

下記にて文献からの抜粋した内容を記載します。

ステンレス鋼製の機器や部材に時々見られる錆には、
成因的に次の2通りある。

もらい錆:鉄成分がステンレス鋼表面に付着し、錆
に発展してステンレスが錆びたように見える。

ステンレス鋼自体の錆:海塩粒子などに含まれる塩化
物イオンの腐食作用によって生じた腐食生成物である。

錆は、大気中に置かれた金属材料が腐食する現象であり、
銅、亜鉛、アルミニウム、鉄鋼(ステンレス鋼を含む)
など、それぞれ、腐食生成物の状態は異なる。

鉄を主成分とする材料は赤さび状となるので目立ちやす
い。ましてステンレス鋼は、無塗装状態で金属光沢を
呈しているので、赤さびが発生すればびっくりしてしま
う。

まず、もらい錆について説明する。
ステンレス浴槽などにヘアーピンなどを落としたまま
放置すると、ヘアーピンが腐食し周辺に赤さびが付く。
水道水に混ざってる鉄分、給湯側に鉄製品を用いている
場合に初期の段階で鉄分の溶出があると、微細な赤さび
を見ることがある。

これらの赤さびは、初期のうちにスポンジなどで処理
するか市販のステンレス用のさび取り剤で除去すること
がある。
さび取り剤の多くは、粉末状の研磨剤を含む洗浄剤であ
る。これによれば金属光沢を損なうことはない。
鉄道、工場などから飛んでくる鉄分や鉄製のブラシで
ステンレスの表面をブラッシした場合などの鉄分付着が
原因となることもある。定期的な洗浄、取り扱いの際の
注意などによって、この種のさびは避けられてる。

ステンレス鋼自体のさびについては、ステンレス鋼の
耐食性を特徴づける不動態皮膜(Crの水和オキシ水酸化
物を主成分とする薄膜)が塩化物イオンによって局部的
に破壊された場合の反応生成物である。

不動態化皮膜は再生しやすい性質があり、Cr,Mo量の
多い鋼種ほどその傾向が強く、さびの腐食反応に対する
抵抗率も高い。

海岸地域などでステンレス鋼を用いる場合には、鋼種の
選択に留意したい。飛来する海塩粒子は雨掛かりの無い
部分にも付着しているので、定期的な洗浄は、さび防止
に有効である。さびがある程度広く進行してしまった
場合には、機械的処理あるいは化学的処理が必要となる。


参考文献 表面処理対策Q&A1000 
     産業技術サービスセンター

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