FAQ
2社購買でアルマイト処理をした製品の色合いが合わない
原因は、主に以下の3つが考えられます。
1. アルミニウム合金の成分差
最も根本的な原因として、使用しているアルミニウム合金
の成分に微細な違いがあることが挙げられます。
・メーカーやロットによる違い:
同じ品番のアルミ合金でも、メーカーや製造ロットによって
ケイ素(Si)や銅(Cu)といった成分の含有量にわずかな差
が生じることがあります。
・アルマイトと成分の関係:
これらの成分は、アルマイト皮膜の形成や発色に直接影響を
与えます。
特にケイ素は、アルマイト処理の妨げになり、皮膜が不均一
になりやすいため、色合いにムラや違いを生じさせる大きな
要因となります。
2. アルマイト処理条件の差
各社が採用しているアルマイト処理のプロセスや条件が異なる
ことも、色合いが合わない大きな原因です。
・電解液の濃度:
アルマイトは電解液の濃度や温度によって皮膜の性質が変わります。
・通電時間と電流密度:
通電時間や電流の強さが異なると、皮膜の厚さや孔径が変わり、
染料の吸着量も変化します。
・染料と封孔処理:
使用している染料の種類、濃度、そして染色の時間も各社で異なる
場合があります。
また、染料を定着させるための「封孔処理」の条件も、色合いに
影響を与えます。
これらの条件は、各社のノウハウや設備によって異なるため、図面に
詳細な指示がない限り、全く同じ色合いに仕上げるのは難しいのが
現状です。
3. 前処理と後処理の差
アルマイト処理の前に行う脱脂やエッチングといった前処理や、その
後の洗浄・乾燥といった後処理の差も影響します。
・前処理:
エッチングの時間が異なると、表面の粗さ(梨地感)が変わってしまい、
光の反射率が変わるため、見た目の色合いに差が出ることがあります。
・洗浄・乾燥:
処理後の洗浄が不十分で薬品が残ったり、乾燥方法が異なったりする
と、色ムラやシミの原因となることがあります。