FAQ
アルマイト皮膜にクラックが発生する主な原因は、アルミニウム
母材とアルマイト皮膜の熱膨張率の違いです。
この熱膨張率の差により、一般的には100℃以上の温度でクラック
が発生し始めると言われています。
●クラックが発生するメカニズム
・アルミニウムの熱膨張:
アルミニウムは熱膨張率が比較的大きい金属です。
加熱されると大きく膨張します。
・アルマイト皮膜の熱膨張:
アルマイト皮膜は、セラミックスの一種である酸化アルミニウム
(Al2O3)でできており、アルミニウムに比べて熱膨張率が約1/5
と非常に小さいです。
このため、100℃以上の高温にさらされると、母材のアルミニウム
が大きく膨張するのに対し、皮膜はそれに追従できず、皮膜に
応力が発生します。この応力に耐えきれなくなった皮膜が割れて、
クラックとなります。
●硬質アルマイトの場合
硬質アルマイトは普通アルマイトよりも皮膜が厚く、緻密で硬いため、
熱膨張による応力に耐えきれず、普通アルマイトよりもクラックが
発生しやすい傾向があります。