めっきQ&A

FAQ

鋳物のAC2A-T7に黒アルマイトをすると赤く変色する理由は?

C2A-T7に黒アルマイトを施すと赤く変色してしまう主な
理由は、素材であるAC2A-T7の成分にあります。
特に、この合金に多く含まれる銅が原因です。

●AC2A-T7の成分と特性
AC2Aは、JIS規格のアルミニウム合金鋳物で、アルミニウム
ーケイ素-銅系合金です。
主要な添加元素は、ケイ素が4〜7%、銅が2〜4.5%です。
T7処理は、溶体化処理と過時効処理を施したもので、高い
強度と寸法安定性を持ちます。

●アルマイトにおける銅の影響
・自然発色:
アルマイト処理は、アルミニウム表面に酸化皮膜を生成する
処理です。
この皮膜は、通常は透明か乳白色ですが、合金に含まれる不純物
の影響で自然に発色することがあります。
銅は、アルマイト処理の過程で皮膜を赤褐色〜褐色に発色させる
性質があります。
AC2A-T7には比較的多くの銅が含まれているため、皮膜が自然に
赤みがかった色になってしまいます。

・染色の阻害:
黒アルマイトは、アルマイト皮膜の微細な孔に黒い染料を吸着
させることで色をつけます。
しかし、素材由来の自然発色(赤み)が染料の色と混ざり合い、
黒色が完全に表現されず、赤黒い色や赤みがかった色になって
しまいます。
また、鋳物特有の不純物の偏析(成分の不均一な分布)によって、
色ムラが発生しやすく、部分的に赤みが強く出ることがあります。

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