めっきQ&A

FAQ

φ0.5mmのアルミ棒材に硬質アルマイト処理は可能なのか?

φ0.5mmという極めて細いアルミニウム棒材に硬質アルマイト
処理を施すことは、技術的に非常に難しく、現実的ではない
と言えます。

その主な理由は、硬質アルマイト処理の特性と製品の極端な
細さに起因します。

1. 寸法変化が大きすぎる
硬質アルマイトは、皮膜の厚さが通常30〜100μmと非常に
厚いのが特徴です。
直径0.5mm(=500μm)の棒材に片面で30μmの皮膜を形成
すると、両面で60μm、つまり元の直径の約12%もの寸法が
増加します。
この極端な寸法増加は、元の製品の形状や寸法精度を大きく
損なうことになります。

2. 均一な皮膜形成が困難
硬質アルマイトは、低温の電解液で高電流を流すことで皮膜
を形成します。

・治具の難しさ:
直径0.5mmという細さの製品を、均一に電流を流しながら吊る
すための治具の設置は極めて困難です。

・熱の制御:
高電流による発熱が伴いますが、細い棒材は熱がこもりやすく、
処理温度の均一な制御が難しくなります。
温度が上昇しすぎると、硬度が低下したり、皮膜が焼けてしま
うリスクがあります。

・皮膜のムラ:
電解液の流れや電流密度の不均一性が、皮膜のムラや部分的な
生成不良を引き起こしやすくなります。

3. 皮膜が剥離しやすい
硬質アルマイト皮膜は、非常に硬い反面、脆いという性質が
あります。
細い棒材の表面に厚く硬い皮膜を形成すると、わずかな曲げや
衝撃で皮膜にクラックが入ったり、剥離したりするリスクが
非常に高くなります。

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