FAQ
アルマイト処理後、製品の平面度は変化する可能性があります。
特に、薄板や大判の製品、あるいは複雑な形状の製品において、
この現象は顕著に現れることがあります。
●平面度が変化する主な原因
アルマイト皮膜の形成によって生じる内部応が、平面度の変化
(反りや歪み)の主な原因です。
・熱膨張率の違い:
アルミニウム素材の熱膨張率は、アルマイト皮膜(酸化アルミニ
ウム)の約3〜5倍あります。
アルマイト処理中は、電解液の温度や通電による発熱で製品の温度
が上昇します。
このとき、アルミニウム素材が膨張しようとするのに対し、皮膜は
膨張しにくいため、皮膜と素材の間に応力が発生します。
・皮膜の収縮応力:
アルマイト処理が終わり、製品が冷却されると、膨張していた
アルミニウム素材は収縮します。
この際、皮膜が収縮しようとする素材の動きを妨げるため、皮膜側に
引っ張られるような力(収縮応力)が発生します。
これらの内部応力が、特に薄くて剛性が低い製品に対して反りや歪みを
引き起こします。
●硬質アルマイトの場合
硬質アルマイトは、皮膜が厚く、かつ緻密で硬いため、一般的なアルマ
イトよりも内部応力が大きくなる傾向があります。
したがって、硬質アルマイト処理を施す場合、平面度の変化はより顕著
になる可能性があります。