FAQ
アルマイト処理をした製品が紫外線ランプの環境で黄ばんで
しまう原因は、主に着色アルマイトで使用される有機染料の
劣化にあります。
●主な原因:有機染料の分解
一般的なカラーアルマイト(黒、赤、青、緑など)は、アルマイト
皮膜の微細な孔に「水溶性有機染料」を吸着させて色をつけます。
この有機染料は、熱や紫外線に対して弱く、以下のようなメカニズム
で変色や退色を引き起こします。
・紫外線のエネルギー:
紫外線は非常に強いエネルギーを持っています。
・染料分子の破壊:
紫外線が染料の分子構造に作用し、分子結合を破壊します。
・色の変化:
分子構造が壊れると、光を吸収する波長が変わり、元の色を
保てなくなります。その結果、色が薄くなったり、別の色
(黄ばみなど)に変色したりします。
この現象は、太陽光に含まれる紫外線でも起こるため、屋外で使用される
製品のカラーアルマイトは、長期間の使用で色あせすることがあります。
特に、淡い色ほど退色が早く、濃い色ほど退色しにくい傾向があります。
●黄ばみが発生するその他の可能性
・無着色アルマイト(白アルマイト)の場合:
無着色アルマイト(白アルマイト)の場合、紫外線による黄ばみは
通常起こりません。アルマイト皮膜そのものが紫外線によって劣化
することはないからです。
もし黄ばみが発生した場合は、アルマイト皮膜の不純物(電解液や
素材に含まれる鉄やシリコンなど)が原因である可能性があります。
・封孔処理の不備:
染色後の封孔処理が不十分だと、皮膜の孔が完全に塞がれていない
ため、空気中の水分やその他の物質が侵入し、染料の劣化や変色を
早める可能性があります。
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