めっきQ&A

FAQ

摺動部に使う場合、硬質アルマイト処理で性能を向上させることは可能か?

硬質アルマイト処理は、摺動部の性能を向上させる上で
非常に効果的です。

硬質アルマイト処理は、通常のアルマイト処理よりも硬く、
厚い皮膜を形成するため、耐摩耗性や耐久性が大幅に向上
します。摺動部(滑り運動を伴う部分)では、部品同士の
摩擦によって摩耗が進行し、性能低下や寿命短縮につなが
りますが、硬質アルマイト処理によってこの問題を解決
できます。

●硬質アルマイト処理が摺動部の性能を向上させる理由

・高い表面硬度:
 硬質アルマイト皮膜は、ビッカース硬度(Hv)で450〜500以上
 にも達します。
 これは、通常のアルミニウム素地(Hv30〜70程度)の約10倍の
 硬さです。
 この高い硬度によって、相手材との接触による摩耗や傷つきを
 防ぎ、部品の寿命を延ばします。

・優れた耐摩耗性:
 硬質アルマイト処理は、摺動摩耗に対して非常に強い耐性を
 持ちます。
 自動車部品や航空機部品など、高い耐久性が求められる摺動部に
 広く採用されています。

・皮膜の厚さ:
 通常のアルマイト皮膜が数μmから20μm程度であるのに対し、
 硬質アルマイトは30〜100μmという厚い皮膜を形成できます。
 この厚い皮膜が、素材の柔らかさを補い、長期にわたる使用でも
 摩耗に耐えうる強度を与えます。

●さらなる性能向上のための特殊処理
単に硬質アルマイト処理を行うだけでも性能は向上しますが、
さらに優れた摺動性を求める場合は、以下のような複合処理が
効果的です。

潤滑アルマイト(テフロン硬質アルマイト、カシマコートなど):
硬質アルマイト皮膜の微細な孔に、テフロン(PTFE)や二硫化
モリブデンなどの固体潤滑剤を含浸させる処理です。
これにより、皮膜の硬さと潤滑剤の滑り性が組み合わさり、摩擦
係数が大幅に低減します。
「かじり」と呼ばれる現象を防ぎ、給油なしでも優れた摺動性能を
発揮するため、摺動部品の軽量化やメンテナンス頻度削減に貢献します。

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