FAQ
一般的には、問題なく処理することが出来ます。
ただし、曲げの内側や外側に、アルマイト皮膜のひび割れ
や密着不良、色ムラが生じやすくなる可能性があります。
その主な理由は、以下の通りです。
1. クラック(ひび割れ)の発生
アルマイト皮膜は、非常に硬く、柔軟性があまりありません。
一方、プレス加工で金属を曲げると、曲げ部分には引張応力
(外側)と圧縮応力(内側)がかかり、素材の結晶構造が歪み
ます。
この歪んだ部分の上に硬いアルマイト皮膜を形成すると、皮膜が
応力に耐えきれずに、時間の経過とともに微細なひび割れ(クラック)
が発生することがあります。
特に曲げの外側でひび割れが発生しやすく、見た目の問題だけでなく、
耐食性の低下にもつながります。
2. 皮膜の不均一性、密着性の低下
曲げ部分の素材は、他の平坦な部分と比べて表面の状態が異なって
います。
このため、アルマイト処理の電解反応が均一に進まず、皮膜の厚みが
不均一になったり、十分な皮膜が形成されずに密着性が低下したり
することがあります。
3. 色ムラの発生(特に着色アルマイトの場合)
着色アルマイトの場合、曲げ部分と平坦な部分とで、染料の吸着
度合いに差が生じることがあります。
これが原因で、曲げの内側や外側だけが濃くなったり、薄くなった
りする色ムラが発生し、外観品質に影響を与える可能性があります。