FAQ
アルマイト処理をしてもテスターで導通してしまう理由は、
主に以下の3つが考えられます。
アルマイト皮膜は本来、電気を通さない絶縁体ですが、
以下のような理由で導通してしまうことがあります。
1. 治具の接触跡がある
アルマイト処理では、製品を吊るして通電させるための治具
を使用します。
この治具が接触していた部分は、電気を流す必要があるため、
アルマイト皮膜が形成されません。
したがって、この治具跡にテスターのプローブを当てると、
下地のアルミニウムが露出しているため導通します。
製品の端や穴の内側など、目立たない箇所にあることが多い
です。
2. アルマイト皮膜が薄い、または不均一である
アルマイト処理の膜厚が非常に薄い場合や、処理が不十分で
皮膜が均一に形成されていない場合があります。
テスターのプローブ(特に先が尖っているもの)で測定した際、
この薄い皮膜を突き破って下地のアルミニウムに接触し、導通
してしまうことがあります。
3. 製品の角や端部に皮膜が付きにくい
電気分解によって皮膜を形成するアルマイト処理では、製品の
形状によって電気が流れやすい部分と流れにくい部分が生じます。
鋭利な角や端部は、電気の流れが集中しすぎて皮膜が薄くなり
やすかったり、逆に不均一になったりすることがあります。
この部分にテスターを当てると、導通してしまう可能性が高く
なります。