めっきQ&A

FAQ

アルミニウムダイカストに硫酸陽極酸化法にて酸化皮膜をつけたいが可能か?

アルミニウムダイカストに硫酸陽極酸化法でアルマイト処理を
施すことは可能ですが、いくつかの技術的な問題点と注意点が
あります。

アルミニウムダイカストは、流動性を高めて複雑な形状を鋳造
するために、純アルミニウムに比べて多くの添加物(特にケイ素(Si)
や銅(Cu))が含まれています。
この組成がアルマイト処理に大きく影響します。

●アルマイト処理で問題になる点
・皮膜の不均一性、生成不良:
ダイカストに含まれるケイ素は、アルマイト処理の電解反応で酸化せず、
電気を通さない性質があります。
このため、皮膜が形成される際にケイ素が邪魔となり、均一で強固な
アルマイト皮膜が生成されにくくなります。
ケイ素の多い部分は皮膜が薄く、または形成されないことがあります。

・色ムラの発生:
ケイ素の析出の濃淡や合金成分のばらつきによって、処理後に茶褐色や
灰色っぽい色に自然発色することが多いです。
これにより、着色アルマイトの場合、色ムラが発生しやすくなり、均一
な発色を得ることが非常に難しくなります。

・巣穴(鋳巣)による不良:
ダイカスト製品には、鋳造時にガスが巻き込まれてできる「巣穴(鋳巣)」
が表面近くに存在することがあります。

アルマイト処理中に、これらの巣穴に電解液が侵入して皮膜に影響を与え
たり、仕上がり後に気泡跡のような不良となって現れたりすることがあり
ます。

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