FAQ
結論から申し上げますと、A2011への着色アルマイト処理は
可能ですが、期待通りの均一な仕上がりを得ることは非常
に難しいです。
A2011は切削加工性に優れる反面、アルマイト処理には不向き
な合金として知られています。その主な原因は、合金成分に
あります。
●A2011に着色アルマイトが難しい理由
A2011は、耐食性を低下させる銅(Cu)や、切削性を高める
ための鉛(Pb)やビスマス(Bi)といった金属を多く含んで
います。
これらの成分がアルマイト処理に以下の問題を引き起こします。
・皮膜の不均一性:
アルマイト皮膜が生成する際に、銅などの成分が電解液に溶け
出したり、皮膜の生成を阻害したりするため、均一な皮膜が形成
されにくくなります。
・色ムラの発生:
銅成分のばらつきや、皮膜の不均一性が原因で、染料の吸着に
差が生じます。
その結果、特に濃い色を着色しようとすると、黒ずんだり、ムラ
が発生したりすることが多く、製品全体を均一な色に仕上げるの
が困難です。
●対策と推奨される合金
着色を前提とする場合: A2011の加工性がどうしても必要な場合を
除き、着色アルマイトの仕上がりを重視するなら、A5052やA6061、
A6063といった、アルマイト処理に適した合金を選択することを
おすすめします。
これらの合金は、色ムラが少なく、安定した仕上がりが期待できます。