FAQ
アルマイトの熱特性は以下のように整理できます。
1. 耐熱性
・酸化アルミニウム(Al₂O₃)皮膜自体は約500℃まで安定。
・それ以上では結晶構造が変化し、割れや剥離の恐れあり。
・封孔処理や有機染料を使った着色アルマイトは、100〜200℃
で変色や退色が発生。
2. 熱伝導率
・アルマイト皮膜の熱伝導率は約1〜3 W/m·Kと低く、アルミ
地金(約200 W/m·K)に比べ断熱性が高い。
・厚膜化すると熱伝達効率が低下するため、放熱部品には注意
が必要。
3. 熱膨張
・皮膜の熱膨張率はアルミ地金より低く、高温下では応力差に
よる微細クラックが発生しやすい。
・特に硬質アルマイトは厚膜のため熱衝撃に弱い傾向。
4. 熱的劣化
・温環境が長時間続くと封孔部が開き、耐食性低下。
・染料系は紫外線と熱の複合作用で退色が加速する。