FAQ
硬質アルマイト皮膜が一部にシミがあり、脱色している
原因は、いくつかの可能性が考えられます。
一般的なアルマイト処理の不良原因に加え、硬質アルマ
イト特有の問題も関係していることがあります。
1. 封孔処理の不備
硬質アルマイト皮膜は多孔質構造を持ち、着色後には封孔
処理が必要です。
この封孔処理が不十分だった場合、皮膜の孔が完全に塞がれず、
外部の水分や汚れが侵入しやすくなります。
不完全な封孔部に水分や不純物が浸入し、それが乾燥することで、
シミや白い粉(粉吹き)として現れることがあります。
また、この部分から皮膜が劣化し、着色不良や脱色を引き起こす
可能性があります。
2.素材の不均一性
A7075のような硬質アルマイトに使用される合金は、成分が均一
に分布していない(偏析)ことがあります。
この偏析が、アルマイト皮膜の生成を不均一にし、その結果、
着色ムラやシミとして現れることがあります。
3. 外部要因
処理前の段階で、製品に油分や汚れが残っていた場合、その部分
にアルマイト皮膜がうまく形成されず、処理後のシミや着色不良
の原因となります。
使用環境において、皮膜が不完全な部分から腐食が始まり、シミ
状の腐食生成物が現れることがあります。