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				    めっき専門用語
複合めっきとは、繊維状、粒子状などの分散相をもつ複合材料の
電気めっき。
composite plating
引用元:JIS 金属表面処理 2023
複合めっきとは、金属めっき層の中に微細な硬質粒子や潤滑性の
ある粒子を分散させて、金属本来の特性に加えてさらなる機能を
付加する表面処理技術である。
一般的には、ニッケルをベースにしながら、セラミック、カーボン、
PTFE(テフロン)などの微粒子をめっき層に共析させる。
これにより、通常のめっきでは得られない耐摩耗性、耐食性、
潤滑性、耐熱性などの特性を実現できる。
複合めっきの種類
複合めっきにはいくつかのタイプがあり、使用されるベースの
めっき金属や添加される粒子の種類によって特性が異なる。
1.ニッケル-PTFE複合めっき
 PTFE(テフロン)の粒子を含むニッケルめっきで、優れた
 滑り性と耐摩耗性を提供する。
 低摩擦の特性が必要な機械部品や摺動面(摩擦面)でよく
 使用される。
2.ニッケル-セラミック複合めっき
 アルミナやシリカ、ダイヤモンドなどのセラミック粒子を含む
 めっきで、非常に硬度が高く、耐摩耗性が大幅に向上する。
 切削工具や耐摩耗部品に適している。
3.ニッケル-カーボンナノチューブ複合めっき
 カーボンナノチューブ(CNT)を添加することで、強度、硬度、
 導電性を向上させる。
 電子部品や特殊な機械部品に使用されることがある。
複合めっきの特徴
・耐摩耗性の向上
 金属の硬度に加え、硬質粒子がめっき層内に均一に分散するため、
 摩耗に強い表面が形成される。
 これにより、長寿命化と摩擦による損傷の低減が可能となる。
・潤滑性の向上
  PTFEやモリブデンなどの潤滑性粒子を含む複合めっきは、表面の摩擦
 抵抗を低減し、潤滑性を高める。
 これは、機械の摺動部分や摺動部品の摩擦を減らしたい場合に効果的
 である。
・耐食性の向上
  一部の複合めっきは、金属の耐食性を向上させる効果があり、特に
 腐食環境下での使用に適しています。耐食性を高めた複合めっきは、
 海洋産業や化学プラントなどの厳しい環境下で使用されている。
・硬度と強度の向上
  硬質な粒子(セラミックやダイヤモンドなど)を含む複合めっきは、
 通常のめっきよりも表面硬度が高く、強度が増すため、工具や耐摩耗部品に
 適している。
複合めっきのメリット
・多機能性
  金属めっきと粒子の特性を組み合わせることで、単一のめっきでは
 得られない多機能性を付与する。
 例えば、滑り性と耐摩耗性の両方を兼ね備えためっき層などが可能。
・カスタマイズ可能
  添加する粒子の種類や量を調整することで、特定の用途や要件に
 合わせためっき層をカスタマイズできる。