FAQ
亜鉛メッキには各種の方法があり、それぞれの目的や特性、
コストなどを考慮し選択されています。
電気メッキ法のメカニズムをミクロ的な見方をすると、
水溶液中の金属イオンを電気エネルギーによって一つ
一つ金属を変えて、物の表面にめっき金属を超高速で積み
重ねていく原子レベルでの成膜加工技術であると言えます。
従って、厚膜化が不利で、比較的薄い亜鉛メッキの厚さと
亜鉛メッキの腐食を防ぐクロメート皮膜との組み合わせで
耐食性を発揮します。
更に、耐食性の向上を図るため、各種のクロメート皮膜や
高耐食性亜鉛合金メッキの開発など行われ自動車部品を
中心に採用されています。
一方、溶融メッキ法は、被メッキ物を溶融金属中に浸漬して
被メッキ物表面に溶融金属を付着させ、冷却して金属を被覆
する方法であり、厚膜化が可能です。
厚さは、一般に亜鉛鉄板で8〜20μm、構造物で75〜125μm
程度です。
防錆メッキである、亜鉛メッキの防錆機構は、犠牲防食作用
(亜鉛が腐食することによって鉄の錆の発生を防ぐ)
であるため、長期間に渡って防錆力を保つにはメッキ厚さ
が厚ければ厚い法が良いことになり、手法上からメッキ厚さを
十分に確保出来る溶融亜鉛メッキが有利となります。
従って、溶融亜鉛メッキは、主に、重量物や屋外の構造物
(橋、鉄塔、外壁、建築部材など)などに亜鉛メッキは
単独又は塗装との組み合わせによる重防食を行う必要が
あるものに適用されます。
逆に数10μm以下の場合には、クロメート皮膜の防錆力が
付加された電気亜鉛メッキの方が有利です。
このように、メッキ法の基本的な手法や原理からくる適用や
限界、皮膜の性質等に違いが生じることから、単純に防錆力の
比較は出来きず、防錆メッキの利用目的によって溶融亜鉛メッキ
と電気亜鉛メッキとの使い分け方をすることが肝心です。
JIS H 8614 溶融亜鉛メッキの解説の項に、亜鉛メッキの
付着量と推定対数年数との関係が暴露環境別に提示されて
います。