FAQ
硬質アルマイトの膜厚を上げると表面硬度が上昇する
主な理由には以下のものがあります。
1.皮膜構造の変化
膜厚が増すと酸化アルミ層の柱状結晶が成長し、表層部の
緻密化が進むため、微細孔が減少して硬度が高まります。
2.基材の影響が減る
膜が薄い場合はアルミ母材の柔らかさが表面硬度測定値に
影響しますが、厚くなると測定値に反映されにくくなり、
セラミック質皮膜本来の硬さが現れます。
3.残留応力の影響
厚膜化に伴い内部応力が蓄積し、微視的な圧縮応力が皮膜
を緻密化させ、結果として硬度を押し上げます。
膜厚増加による硬度上昇は皮膜の緻密化と基材影響の減少に
よるものです。
ただし過度に厚膜化するとクラックや脆化を招くため、用途
に応じた最適膜厚の設定が重要です。