めっきQ&A

FAQ

溶接後、硬質アルマイトすると溶接部だけ処理がのらない理由は?

溶接後に硬質アルマイト処理をすると、溶接部だけ処理が
うまく乗らない(皮膜が薄い、色が変わるなど)原因は、
主に以下の2つが考えられます。

1. 溶接部と母材の成分の違い

・溶加材
アルミニウム合金の溶接には、溶接棒やワイヤーとして溶加材
を使用します。
この溶加材は、母材の材質とは異なる成分(特にケイ素Si)を
含むことが一般的です。

・アルマイト処理への影響
溶接部は、母材と溶加材の成分が混ざり合った組織になります。
この溶接部の成分が、母材の成分と大きく異なるため、アルマ
イト液中での反応性も変わり、皮膜が正常に形成されない、ある
いは色合いが変わってしまうことがあります。
特に、ケイ素を多く含む溶加材(例: A4043)を使用した場合は、
溶接部が黒っぽく変色する傾向があります。

2. 溶接時の熱影響による変化

・熱影響部
溶接時に発生する高温によって、溶接部の周辺(熱影響部)の
金属組織が変化します。
熱処理合金(A6000系やA7000系など)では、この熱によって時効
硬化の効果が失われ、強度が低下する「軟化」現象が起こります。

・酸化皮膜の生成
溶接時に高温にさらされたアルミニウムは、空気中の酸素と結合
し、非常に強固な酸化皮膜を形成することがあります。
この皮膜は、通常のアルマイト処理の前工程(脱脂やエッチング)
では完全に除去できない場合があり、その上に皮膜がうまく形成
されない原因となります。

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