メッキ専門用語

437 封孔処理

陽極酸化によって生成した多孔性皮膜の微細孔を封じ
耐汚染性、耐食性などの物理的、化学的性質を改善する処理の
総称。
水蒸気封孔。沸騰水封孔、低温封孔などがある。

sealing of anodic oxide coating

引用元:JIS 金属表面処理 2023

封孔処理の必要性

陽極酸化処理によって形成される皮膜には、
多数の微細孔 (直径0.01~0.05μm、60~800個/μm) が存在する。
これらの孔は、皮膜の通気性や染料の吸着性を高める一方で、以下の
問題を引き起こす可能性がある。
・腐食: 孔から水分や腐食性の物質が皮膜内部に侵入し、腐食を促進する。
・摩耗: 孔が摩耗の原因となり、皮膜が摩耗しやすくなる。
・薬品の浸透: 孔から薬品が皮膜内部に浸透し、皮膜を劣化させる。
・光線の透過: 孔から光線が透過し、皮膜の色あせや変色を促進する。

封孔処理の種類
・水系封孔処理: 熱湯や加圧蒸気を使用する方法。比較的安価で簡便な
 方法だが、耐食性は酢酸ニッケル封孔処理に比べて劣る。
・金属塩系封孔処理: 酢酸ニッケル、酢酸コバルト、クロム酸塩などの
 金属塩溶液を使用する方法。水系封孔処理に比べて耐食性が高く、
 皮膜の硬度も向上する。

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